漢方〜夏バテ編〜

 今年は梅雨が長く、このまま永遠に梅雨が続いて行くんじゃないかと思っちゃうくらい長いですね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?カラッと晴れずに高温多湿。ぐったりしてませんか?そこで今回は熱中症や夏バテに有効な漢方処方について、 書いてみます。 

 まずは【五苓散】。熱中症もどき、熱中症手前の脱水症状の段階に有効です。口渇、 尿量減少に頭痛が出てきて‥といったときによく効きます 。出典は傷寒論で利水の基本処方です。体の中の水の偏りを調えることで効果を発揮します。 最近ではアクアポリンという水分子の細胞内外への移動に関与しているチャネルへの作用が示唆されていて、作用の仕方が科学的に証明させてもいます。 これらの症状(脱水症状)が出る身近な状態といえば二日酔いですが、五苓散は二日酔いにも効果あるので、 活用している方もいるかもしれませんね。

 次に【白虎加人参湯】。熱中症が真っ盛りで体温上昇、大量の発汗、 強い口渇と症状が進んだときに効果を発揮します。こちらも出典は傷寒論です。身体の内外を冷却し、 発汗過多を抑制、脱水を阻止する働きがあります。 強い裏熱をとり、津液を補う処方です。 

 そして、【清暑益気湯】。熱中症といえばこれ、といった処方です。 熱中症が少し落ち着いたものの体力減少、強い倦怠感、 食欲がないといったときに有効。少し冷やす補気剤と言ったところでしょうか。補中益気湯の加減法です。 ちなみに補中益気湯十全大補湯は免疫反応(インターフェロンαの産生)への関与から新型コロナウィルス感染症の無症状陽性者へ推奨する意見もあるようです。
 さて、 皆さんそれぞれ困難を乗り切る方法をお持ちかと思いますが、 漢方も活用してみてはいかがでしょうか?


f:id:nanohana296:20200726103012j:image